2007年12月 1日

第1回講習会終了

おかげさまで、無事に第1回のX線反射率法講習会(11/29~30)を終了することが出来ました。ご協力いただいた講師、テキスト執筆者、ならび運営、会場関係のご協力を頂いた全関係者の皆様、どうも有難うございました。

以下、アンケート回収結果の簡単なサマリをお送りいたします。

受講申込み受付総数    63
全参加者数        59(申込取消1、欠席3)
第1日目(入門コース)  56
第2日目(応用発展コース)50
アンケート回収数     50(回収率85%)
アンケートからのリピーター想定可能数 10
         (リピーター想定率 17%)

◎一様に好評だったもの
 ・X線反射率相談デスク(4箇所設置)
 ・送付サンプルのX線反射率事前測定(12件受付)
 ・テキスト「X線反射率法入門」
 ・1日目の講義

◎一様にあまり評判が良くなかったもの
 ・2日目の講義
 ・1日目のシミュレーション実習

◎評価が分かれているもの
 ・2日目のデータ解析実習

◎複数の人が指摘している事項
 ・写真撮影や後方での雑談で気が散る
 ・全般に初学者、入門者には難しい
 ・講義のプリントが必要(テキストとは別に必要)
 ・テキストの章間の不均衡
 ・X線反射率相談デスクが常に混雑していていっぱい。デスク数、担当講師
  数を増やすべき。
 ・実習では受講者がPC操作体験も希望
 ・実習では(受付順ではなく)経験レベルや応用分野によりグループ分けすべ

 ・実習会場が狭くて窮屈
 ・実習の1日目と2日目のギャップが激しい(1日目が退屈)
 ・測定の実習をやるものかと誤解していた

◎その他
 ・テキストを追加購入したいとの要望

上記のアンケート結果および直接・間接に聴取した受講者の反応についての桜井の私見

○アンケートは高い回収率であり、しかも詳しいコメントが書かれたものが多く、受講者は真摯に回答したと考えられる。指摘内容は至極もっともに思え、謙虚に受け止め、将来に生かすべき。

○リピータ想定可能数10名が本当なら上出来で万々歳であるが、むしろ過大評価の恐れあり。時間がたてば冷静になり、実際は半数にとどまるであろうか。それほど価値ある有料講習会であったか、それだけの準備と実践をしたと言えるか、冷や汗もの。

○受講者数がそれなりに確保できそうだということがわかった頃から「小グループによるきめ細かい実習」をこの講習会の第1の特色として打ち出そうとした。実習担当講師の間でいろいろと悩みつつ行動に起こしたわけであるが、結果として、必ずしも受講者のニーズを十分とらえきれていなかったようだ。少なくとも、「他の講習会にない独自の特色」等と威張れる状況では全くない。しかし、実習への期待感は強くあるように感じられる。第2回では改良・軌道修正が必要。

○測定依頼は12件(全受講者の約20%)にのぼり、受講者の関心の高さがうかがわれたが、講習会で他の受講者の前に見せられることを敬遠する例がほとんどを占め、その結果、せっかく取得したデータを解析、検討する機会とすることはできなかった。相談デスクのおかげで、ある程度は救済できたが、講習会としては、受講者が1番知りたかったことに対してストレートに明快な答えを与えるところまでをめざすためには改善が必要。

○受講者の結構の数が化学系、ソフトマテリアル系であった。今後もX線反射率法の応用分野としては、そういう方向が増えるのではないか。他方、講習会の講義・実習内容および「X線反射率法入門」の内容も含め、やや対応不十分と思われ、第1回、第2回はとりあえず良いとしても、長く続けるためには、応用面も含めた問題意識に対応できる体制をとる必要がある。

○3月の第2回講習会に向け、プログラム企画の修正を含め、考慮すべき事項
 1.実習重視のために講義が薄過ぎる企画になっていることを再検討
 2.講義内容に完全対応したテキストの準備と配布(「X線反射率法入門」と
は別に)
 3.化学・ソフトマテリアル分野への対応
 4.受講者PC(もしくは会場提供PC)による体験(参加)型の実習
 5.受講者持ち込みデータに対する個別実習(経験のある受講者)
 6.依頼測定データに対する個別実習(自分の試料に関心のある受講者)
 7.講義・実習におけるグループ編成法の改良
 8.実習会場のスペース改善
 9.X線反射率相談デスクの充実(デスク数・講師数・相談時間)