名古屋ワークショップ報告
このたびは7月21日~23日に名古屋大学ベンチャービジネスラボラトリにおいて開催された「X線・中性子による薄膜ナノ構造および埋もれた界面の先端解析技術に関するワークショップ」(New pportunities for nano-structure of thin films and buried interfaces: Advanced characterization using X-rays and neutrons)に、ご参加をいただき、またたいへん熱心で活発なご討論を頂きまして、どうも有難うございました。当日飛び込みの方を含め50名の参加で、たいへん盛況な集まりにして頂き、たいへん感謝しております。
今回は、第1日目のプレワークショップ企画や第2日目の夜の企画で、X線反射率プロパーの専門的な理論・実験上の内容を議論する一方、通常のプログラムでは、むしろ、ナノ構造を作成したり、機能・物性を制御したりする研究開発における諸問題と将来方向を主として取り上げ、X線・中性子の技術でできそうなことはないか、新たな挑戦を行えそうな課題はないかという問題意識での議論を行いました。
初日からたいへん活発な議論が行われ、どの講演でもいつになっても質問がおさまらないことがあるほどで、非常に有意義であったと思います。
本ワークショップは、文部科学省ナノテクノロジー総合支援プロジェクトセンターによる財政的なご援助を頂いて実施されました。同センターには、以下の報告書(案)を送る予定でいます。
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本ワークショップは、PF懇談会X線反射率ユーザーグループの主催、文部科学省ナノテクノロジー総合支援プロジェクトセンターの共催、応用物理学会東海支部の後援により、ナノ材料開発、特に薄膜ナノ構造、埋もれた界面の作製・制御において現在および近未来に取り組むべき課題を整理し、X線・中性子を用いた先端解析技術によっていかに解決すべきであるかを明らかにすることを目的として開催された。X線・中性子をキーワードとし、光源・装置、測定・解析技術、その結果を利用した材料の研究開発など、基礎から応用まで、また半導体からソフトマターまで幅広い分野の専門家による講演が行われ、それぞれの立場から活発な議論が行われた。通常講演では、ナノ構造の作成、その機能・物性の制御といった材料の研究開発における諸問題と将来方向を主として取り上げ、X線・中性子の技術でできそうなことはないか、新たな挑戦を行えそうな課題はないかという問題意識での議論を行った。それとは別に、1日目午後には、測定結果を解釈する上で重要な役割をはたす理論・ソフトウェアの意義を強調する意図をもって「反射率・表面散乱の理論・ソフトウエアの課題」と題する討論企画を、2日目夜には、X線・中性子を用いた測定技術のこれまでと今後の展開に関して「X線・中性子のおかげでわかったこと、まだわからないこと」と題する討論企画を設け、それぞれの専門家から話題提供をうけて全員による討論を行った。それぞれ3時間の時間枠をとっていたが、多くの発言者がつづき、最後は残念ながら時間切れとなるほどであった。
同じナノテクノロジーを対象としていてもそれぞれ異なったバックグラウンドをもって研究を行っている異分野の専門家が一同に会して行われたワークショップであったが、当日参加も含め50名に達した参加者からは「非常に刺激になった」などの感想がきかれ、非常に好評であった。今後も同様の趣旨の会合を毎年継続していくことが会場にて確認された。来年夏には関東地区にて開催の予定である。また、本ワークショップのプロシーディングスは、日本MRSの英文ジャーナル Trans MRS-J の12月号に掲載予定である。
本ワークショップは、PF懇談会X線反射率ユーザーグループの主催するものとしては、昨年秋の応用物理学会でのシンポジウムにつづく2回目のものであったが、ナノテクノロジー総合支援プロジェクトセンターの支援を得られたことにより経費面での問題をクリアして多数の講演者を迎えてワークショップを開催することができた。この場を借りて関係各位に感謝の意を表する。