2006年2月 1日

IUCrにおける反射率データの標準化

1月8日の名古屋での会合の折、ご紹介しましたとおり、最近、X線反射率法による薄膜の厚さ決定等に関する国際標準化の動きが活発になっております。

第1は、VAMAS(ベルサイユ条約に基づく先端材料と標準化に関するプロジェクト、http://www.vamas.org/)の TWA2 (表面化学分析)の A10 プロジェクトとして、イタリアの University of Brescia のグループを中心に、国際ラウンドロビンテスト等を通して、X線反射率法の標準化を進めようとするものです。

去る9月1~2日にブレシア大学の Professor Depero が主催するVAMAS ワークショップが開催され、日本からは桜井以外に産総研の藤本さんが出席されました。
http://dimgruppi.ing.unibs.it/chimica/XRR_VAMAS_file/VAMAS%20meeting.pdf

現在、すでにラウンドロビンテストも始まっていて、共通サンプルが各機関に順にまわされています。主な参加国は、イタリア、フランス、ドイツ、イギリス、アメリカ、チェコ、スロバキア、日本、韓国、中国、ロシアで、計21機関です。

第2は、IUCr (国際結晶学連合)において、反射率データの cifファイルを定義しようというものです。フランスの Universite de Montpellier の Dr vander Lee が中心になり、上のイタリアのグループのほか、J. Appl.Crystallography のエディタの Dr Chateigner、Dr Fewster それに、NIST で中性子反射率をなさっている Dr Kienzle が加わっています。

最近、cifファイルのたたき台が提案されました。関心のある方は、以下のファイルをご覧ください(パスワードあり)。ぜひコメントを頂けないでしょうか。
 反射率用 cif ファイル rfcif の提案について
 (参考)粉末回折用 cif ファイル について
 (例)cif ファイル(実験、解析条件の表記)
 (例)生データ添付例
 (例)バックグラウンドデータ添付例
 (例)処理済データ添付例