2018年5月28日

第7回講習会「X線反射率法による薄膜・多層膜の解析」(9/26(水)つくば)

ちょうど「新版X線反射率法入門」(講談社2018年刊)が刊行されるのにあわせ 講習会を開催いたします。

ぜひ皆様の周辺の方にお薦めください。受付も開始しております。

よろしくお願いいたします。

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第7回講習会「X線反射率法による薄膜・多層膜の解析」
http://xray-neutron-buried-interface.jp/TutorialXRR2018.pdf

主催 (公社)応用物理学会 埋もれた界面のX線・中性子解析研究会
(http://xray-neutron-buried-interface.jp/)

日時 2018年9月26日(水)9:00~16:30
場所  国立研究開発法人物質・材料研究機構 千現地区
(〒305-0047 茨城県つくば市千現 1-2-1 電話 029-859-2000)
http://www.nims.go.jp/jpn/visiting/tsukuba.html

最寄り駅 つくばエクスプレス線 つくば駅 南へ徒歩8分
http://www.mir.co.jp/

X線反射率法は、薄膜・多層膜の深さ方向の内部構造、具体的には、各層の膜厚、密度、各界面のラフネス等を非破壊的に求めることができる解析技術です。本講習会 では、X線反射率法の経験豊富な専門家(「新版X線反射率法入門」(講談社2018年刊)の執筆陣)を講師に迎え、基礎から丁寧に解説を行うとともに、シミュレーションやデータ解析の実習 を少人数グループにて、きめ細かく行ないます。 休憩時間には「X線反射率相談デスク」を設け、日頃の疑問、質問したくてもなかなかできなかったことに、 7名の専門家がお答えします。


08:40      開場、受付開始
09:00 -09:30 X線反射率法とは        桜井健次(物材機構)
09:30 -10:20 X線反射率実験の注意事項   表和彦(リガク)
10:20 -10:30  休憩
10:30 -12:00  X線反射率法のシミュレーション・データ解析実習(A,B,Cコース)
12:00 -13:00  昼食休憩  (12:30-13:00 X線反射率相談デスク、7箇所設置)
13:00 -13:40  X線反射率法のシミュレーション・データ解析実習(A,B,Cコース)
13:40 -14:20  X線反射率データ例① 有機・高分子薄膜 林好一 (名工大)
14:20 -15:00  X線反射率データ例② 磁性体薄膜   上田和浩(日立)
15:00 -15:10  休憩
15:10 -15:40  X線反射率データ例③ 半導体薄膜    淡路直樹(富士通)
15:40 -16:05  X線反射率データ例④ ナノドット    奥田浩司(京大)
16:05 -16:30  X線反射率データ例⑤ 先端電子材料  川村朋晃(日亜化学)     
16:30 解散  (17:00まで X線反射率相談デスク、7箇所設置)

実習は、A. 実践コース (約4名 数年以上の経験のある方向け 担当 表和彦)、B. 体験コース (約8名 初心者もしくは経験1~2年の方向け 担当 淡路直樹)、C. 実演見学コース(約 8名 初心者もしくは経験1~2年の方向け 担当 桜井健次)に分かれて実施します。

A. 実践コース  (担当 表和彦 約4名)
(検討したい実験データと ご自分のPCを必ずお持ちください。皆様の解析上の疑問点や不明点を個別指導致します。ご自分のデータをご自分で解析されたい方のみ参加できます。)
B. 体験コース(担当 淡路直樹  約8名)
(ご自分のPC(Windows)をお持ちください。実データの解析を体験して頂きます。講師が提供するいろいろな問題を考えて頂き、その解決を体感することで、データ解析のコツを習得できます。ソフトウエアとデータは講習会の数日前にダウンロードして頂きます。)
C. 実演見学コース (担当 桜井健次 約8名)
(講師が皆様の前でソフトウエアを使い、2~3の実データを例を素材として、シミュレーションを丹念に行うことの重要性やデータ解析の考え方、個々の細かな手順、注意事項を解説いたします。) 

実習コースはA, B, C のなか からお選びいただきます。特にご希望のない場合も、個別にお話をうかががい、ご相談の上、最適のコースを決めさせて頂きます。人数に関しては応募状況によって増減することがあります。なお、当日になってからのコース変更はできません。ご注意ください。

教材
「新版X線反射率法入門」(講談社、6804円)を参考書として配布するほか( ご希望に応じ着払い宅急便にて事前送付も致します)、すべての講義に完全対応したレジュメを用意いたします。

定員 
約20名

参加申込み
 下記Webページにて、お申し込みください。
 折り返し、詳細なご連絡をいたします。
   http://xray-neutron-buried-interface.jp/ApplicationXRRschool.html


連絡先  国立研究開発法人 物質・材料研究機構
     先端材料解析研究拠点 桜井健次
  TEL 029-859-2821 FAX 029-859-2801
  e-mail SAKURAI.Kenji@nims.go.jp

2018年5月25日

「新版X線反射率法入門」近日刊行のお知らせ

およそ1か月後の6月29日に「新版X線反射率法入門」(講談社)が刊行される運びとなりましたので、ご案内いたします。

「X線反射率法入門」の刊行はいまから9年ほど前、2009年1月のことになります。ほぼ同じ時期、欧米では、類書が何冊か続けて出版されていました。それらは2000年前後に出された書籍の第2版にあたるものです。わが国の「X線反射率法入門」は、国際的には1周遅れのスタートになってしまった感がありますが、後発の利を生かし、基礎知識を一層わかりやすく系統的に整理した書としつつ、それでいて海外の書に含まれない独自の学術・技術内容も網羅した書とすることができました。何よりも読者が自らの試料を解析しようとする際に必ず役立つ実践の書となるように構成した点は、類書とは際立って異なる特色になっています。そうは言いながらも、実のところ、出版当時は、どれほどの方が実際に手に取って下さるか、やや心配しておりました。結果として、それは杞憂だったようで、予想以上に多くの方に読んでいただき、また講習会などの参考書としても活用して頂くことができ、本当によかったと思っています。また、韓国語に翻訳され、お隣の国でも出版して頂けることにもなりました。

初版から9年以上の月日が過ぎ去り、これからの時代のわが国の学問と産業の期待に応えられるよう、「X線反射率法入門」もまた内容を一新するべき時期がきました。いまや、多くの方が日々インターネットで情報を検索し、収集なさっているのではないかと思われます。そのような情報はもちろん便利で有用であるに違いありませんが、「新版X線反射率法入門」の執筆者たちがこの書籍の刊行を通して伝えようとする知識、技術、情報は、少なくとも現時点では、インターネットなどの検索では決して容易に得られないものであろうと信じております。

初版と新版を比較すると、およそ3割の増ページになっています。最重要の基礎知識を説明する第1、2,3章は初版を踏まえながらも1割以上増ページしての補筆、拡充を行いました。第4章「X線反射率のデータ解析の注意事項」、第5章「微小領域分析およびイメージングへの展開」、第6章「時々刻々変化する系の追跡への展開」は、初版にはなかった新しい章になります。第7章の応用事例では、電気化学界面など固液界面を新たに追加し、有機・高分子膜に関する内容を増ページしました。第8章の関連技術では、共鳴軟X線スペクトル法、X線光子相関分光法を新規に追記し、さらに第9章「中性子の利用」を新たに設けています。

初版同様、新版もなにとぞよろしくお願いいたします。

読者の皆様にとってきっと役立つ1冊になることを切望しております。